そもそも冷え症とは?


「冷え症」とは女性に多いのが特徴ではありますが、デスクワーク中心の座りっぱなしの仕事や食生活などの現代特有の生活習慣により男性も冷えに悩む人が増えています。冷えは万病の元と言われるように肩こり、腰痛、腹痛、月経痛なども冷えが原因で起こる症状も沢山あります。一口に冷え症と言っても体質や習慣によってその原因や体の冷える場所は異なる為、まずは何が原因で冷えているのか、冷えに繋がる生活習慣がないか正しく理解し改善に努めていきましょう。

1.西洋医学から見た冷え症

まず西洋医学では冷え症は病気とは扱われておらず、単に身体の自覚症状に過ぎないと考えられています。
検査をしても病気は見つからず不定愁訴や自律神経失調症と言われる場合も多く、その背景には生死に直接関わる事ではないので医学会での関心が薄く、冷え症に対しての定義が統一されていないことが理由としてあるようです。冷え対策として血行改善作用のあるビタミンE(トコフェロール)やビタミンCが使用されることがありますが、「冷え症」単体での治療薬はありません。甲状腺機能低下症や動脈硬化などの病気によっておこる体温低下は病気の随伴症状でありその病気を治療することで改善する場合もあります。

2.冷えの原因

自律神経の不調

ストレスや夜更かし、運動不足、過度な温度変化(エアコンの効いた部屋と外の出入り)が多いなどによって自律神経の乱れが生じ、冷え症に繋がる場合もあります。ストレスを強く感じている状態では交感神経が優位に働いており、血管は収縮しています。その状態が続くことにより血流が悪くなり冷えに繋がる恐れがあります。

血流の不調

末端の血管が収縮、拡張することによって体温は調節されるので、血流の不調は冷えに直結します。長時間同じ体勢だったり、いつも同じ筋肉しか使っていないと、使わない筋肉は柔軟性も衰え血流も悪くなり特に手足の指先や下半身などの冷えに繋がります。

筋肉量

筋肉は体を動かす以外にも、熱を作り出す大切な臓器でもあります。女性や高齢者に冷え症が多いのは筋肉量も関係しています。また女性の過度なダイエットで筋肉量が落ちてしまうと冷えが出やすくなってしまします。

脂肪量

脂肪は体の中で産生した熱を外に逃がさないために重要です。しかし脂肪は一度冷えてしまうと逆に温まりにくく、冷え症が悪化する場合もあります。

冷飲・冷食

冷蔵庫が普及するまでの冷たい飲み物と言えば井戸水で約17℃でしたが、現代ではいつでもどこでも冷たい飲物や食物を摂取することができてしまいます。冷えの自覚がないまま冷たい飲物や食物を取り続けていると血液の流れが悪くなり、夏でも汗をかきにくく水分代謝が悪くなります。その結果、老廃物や毒素が溜まりやすいからだになってしまいます。心臓や肝臓など重要な臓器が集まる体の中心部に血液を集めて体温を維持しようとするので、血液が行き渡りにくくなった手足は温度が下がってしまします。

3.ヒトの体温


体温は脳の視床下部で体の動きが最も適当な温度(約36.5℃〜37.0℃)を一定に保つために働いています。寒い時に体が震えるのは、筋肉を動かして体温を上げるためです。これを「ふるえ産熱」と言い筋肉を動かして熱を作り出します。また寒い時は汗腺は閉じますが、暑い時は汗をかき体の熱を放散することで体温を下げます。
このように熱を作り出したり、熱を放散することで体温を一定に保っているのです。この調節を視床下部が行なっています。

4.冷え症と低体温

一般的に体温36.0℃未満の人を「低体温」と呼ぶことがありますが、冷え症は体温が何度以下という考え方とは違います。
冷え症は全身や手足など体の一部が冷えている感覚が常にあり、ツライ症状のこととされています。

5.冷え症対策に!積極的に摂りたい栄養素


インスタント食品やレトルトなど現代的な食生活では体に必要な栄養素が充分に補えず冷えの原因となってしまうことがあります。そこで特に意識して摂取したい栄養素がビタミンEやビタミンCです。また不足しがちなビタミンB群も冷え改善には必要です。

血流改善を促し、ホルモンの分泌を調整するビタミンE

ビタミンEには血行を正常に保つ作用や細胞の酸化を防ぐなど老化防止にも効果があります。

ビタミンEを多く含む食材

  • アーモンド
  • たらこ
  • 西洋かぼちゃ
  • モロヘイヤ
  • アボガド
  • 大豆
  • 血液の材料となる鉄分の吸収を促進するビタミンC

    自律神経はビタミンCを摂ることで整えられるので、ストレスが強くかかっている方で冷え症の方はビタミンCが有効です。季節の変わり目は寒暖差が激しく自律神経が乱れがちですので、季節の変わり目に冷え症になる方にも有効です。

    ビタミンCを多く含む食材

  • ピーマン
  • ブロッコリー
  • キウイ
  • オレンジ
  • レモン
  • 海苔
  • ビタミンB1、B2

    糖質を分解しエネルギーとなる過程で必要となるのがビタミンB1です。不足するとエネルギーに変換できず余分な糖分が体にたまり冷えをはじめ、気分の落ち込みや集中力の低下など様々な症状を引き起こしてしまいます。

    ビタミンB1を多く含む食材

  • 豚肉
  • うなぎ
  • たらこ
  • ナッツ類
  • ビタミンB2を多く含む食材

  • レバー
  • うなぎ
  • 納豆
  • 代謝を促進し自律神経を活性化させるパントテン酸

    脂質、糖質、タンパク質の代謝を助け体の抵抗力を高め、風邪をひきにくくします。
    別名「ストレス対抗ビタミン」とも呼ばれ、ストレスによる自律神経の乱れによる冷え症にはパントテン酸を摂る必要があります。

    パントテン酸を含む食材

  • 牛レバー
  • 大豆
  • 納豆
  • 6.まとめ

    冷え症になってしまう原因として生活習慣が大きく関わっていることがわかります。冷え症は突然現れるのではなく日々の生活の積み重ねで起こることがほとんどです。冷え症はいわゆる「血行不良」ともとれ、冷え症の方の共通原因として運動不足やストレスがあげられます。上記であげたビタミン類などはサプリメントなどで簡単に補うこともできます。また運動などの時間が取れない方も、仕事の合間、1時間に1度席を立って背伸びをする、関節を回すなど簡単なことから始めることが可能です。冷え症となりやすい現代社会の生活スタイルを改めて見つめ直し、病気になりにくい健康な体を目指していきましょう。

    記事の監修鍼灸師

    萩原 美穂(はぎわら みほ)