夏バテについて


過ごしやすい春の季節もあっという間に終わり、そろそろ梅雨の季節。梅雨が明けてまもなく本格的な夏本番となりますが、ジメジメとした湿気の多い日本の夏はとても過ごしにくいですよね。普段は元気な方でも暑い時期になると食欲が出ない、体がダルくやる気がでない、などいわゆる“夏バテ”の症状に悩まされる方が多いのではないでしょうか。夏バテの症状は多岐にわたりますが、原因も人それぞれ。今年こそは楽しい夏を過ごせるよう、夏バテの原因を知り早めの夏バテ対策をしていきましょう。

目次
1.夏バテとは
2.夏バテの症状
3.夏バテの原因
4.夏バテ予防対策
5.夏バテにおすすめの漢方
6.まとめ
7.監修

夏バテとは?

日本の高温多湿の夏の暑さに体が順応できなくなり体のだるさ、食欲不振、不眠などの夏に起こる体の不調が夏バテです。“夏負け”や“暑気あたり”とも言われています。

夏バテの症状

代表的な夏バテの症状

  • 体がだるい、倦怠感
  • やる気が出ない、無気力
  • 食欲不振
  • 下痢、便秘
  • イライラ
  • 体が熱っぽい、のぼせ
  • めまい、たちくらみ
  • 頭痛
  • むくみ

夏バテの原因

  1. 室内外の温度差による自律神経の乱れ
  2. 室外から室内または、室内から室外への急激な温度差は体力を消耗してしまいます。冷房の効きすぎた部屋にいるとストレスにより自律神経がうまく働かなくなってしまいます。自律神経は全身の機能に影響を及ぼすため夏バテになると心身共に不調に陥り、だるさや食欲不振、胃腸の不調などを引き起こします。

  3. 高温多湿の環境による発汗の異常
  4. 高温多湿の環境が続くと汗の出口周辺が詰まり発汗が困難になることがあります。それによって体温調節がうまくいかなくなります。また。長時間直射日光の下にいると発汗が過剰になり、体の水分が不足気味になり夏バテを引き起こします。

  5. 熱帯夜による睡眠不足
  6. 夜間も温度が下がりにくい現代では熱帯夜によって寝つきが悪くなったり眠りが浅くなって睡眠不足に陥ることがあります。そのため疲労の回復ができず疲れが溜まってしまい夏バテを引き起こします。

  7. 水分、ミネラル、ビタミン不足
  8. 暑い時、私たちの体は汗をかきそれが蒸発することで
    体温を下げようとします。汗にはミネラルやビタミンも含まれており、それらが排出することで脱水症状になります。また冷えた飲み物や食べ物ばかりとっていると、胃腸が冷え消化吸収能力が落ち、必要な栄養を吸収できなくなり、ミネラルやビタミンも不足しがちとなってしまいます。

  9. 体内の温度差
  10. 元々私たちの体の中には温度差があります。皮膚表面と深部体温でも差がありますが、下半身だけ冷えがちの場合注意が必要です。冷え性の約70%が下半身型冷え性だと言われておりますが、運動不足や加齢、長時間の座位姿勢によりお尻周辺の筋肉が凝り固まってしまうことがあります。そうなると下半身に温かい血液が行きにくくなり、足の指先は他の部位い比べ10度以上も低い状態になってしまうこともあると言われています。その状態になると温かい血液は上半身にばかりに行きがちになり、下半身は冷えているけど上半身は熱がたまってしまう‘うつ熱‘になる場合があります。病気などによる発熱とは違い放熱がうまく行われないことによって起こります。うつ熱になると、ボーッとしたり、だるさを感じるなど夏バテの典型的な状態に陥ってしまうのです。

夏バテ予防対策

夏バテを予防するには規則正しい生活を行うことが何よりも大切です。現代では難しいところではありますが、今の生活習慣を見直して改善できることは行なっていきましょう。

  1. 充分な睡眠をとる
  2. 特に意識してほしいのが睡眠時間の確保。
    疲労は睡眠によって回復されます。特に22~2時の間は成長ホルモンなどの分泌が活発になりますので、その時間帯での睡眠時間を確保できるよう意識しましょう。

  3. エアコンを上手に活用
  4. 室内と室外の温度差が大きいと体温調節をする自律神経の働きが弱ってしまいます。冷房設定が外気温との差が約5℃以下を目安としましょう。猛暑日や熱帯夜では熱中症になる恐れがあり危険ですので、上手にエアコンを活用しましょう。

  5. バランスの良い食事
  6. タンパク質、ミネラル、ビタミンをバランスよく取ることを意識。
    豚肉やレバー、うなぎ、まぐろ、カツオ、大豆に多く含まれるビタミンB群はエネルギー代謝や疲労回復に効果的です。また、夏野菜にはカロテン、ビタミン、食物繊維、カリウムなどのミネラルが多く含まれています。にんにくや、ニラ、ねぎ、玉ねぎに含まれるアリシンを一緒に取ると、夏場に消耗しやすいビタミンBの吸収が良くなります。

  7. 冷たい飲み物、食べ物を控える
  8. 冷たい飲み物、食べ物を摂りすぎると胃腸を壊したり、食欲が落ちてしまいます。寝る前は特に控えましょう。

  9. 適度な運動
  10. 人は発汗によって温度調節をしているので発汗能力を高めることも夏バテ予防に繋がります。適度な運動は生活リズムも整いやすく、自律神経を整える効果も高く、ストレス解消や食欲増進、夏バテにならない体力作りに有効です。1日15分ほど軽く汗ばむ程度のウォーキングやランニング、ストレッチなども軽い運動になるので良いでしょう。ただし真夏の炎天下での運動は熱中症の危険があるので、朝晩の涼しい時間帯に行いましょう。

  11. こまめな水分補給
  12. 大量に汗をかくと体内の水分やミネラルが失われます。失った水分とミネラルを早めに補わないと、発汗が止まり体温が異常に高くなる熱中症に陥ります。水分補給は喉が乾いてからより、乾く前にこまめに補給しましょう。水分の摂取量が少なく、喉の渇きを感じるまでに時間のかかる高齢者や、体温の調節機能が未熟な子供は特に注意です。

夏バテに漢方

夏バテの特効薬としては“清暑益気湯(せいしょえっきとう)”があります。熱を冷ます、汗を引かせる、胃腸を回復させるなどの生薬が含まれており、夏バテに効果があるとされています。また暑いところにいて、口が乾く、めまいがする、尿量が減るなどの症状があり、そこまでダルさが無ければまずは、“五苓散(ごれいさん)”を試し、五苓散でも効果がない場合は“補中益気湯(ほちゅうえっきとう)”、“六君子湯(りっくんしとう)”、“十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)”、“人参栄養湯(にんじんえいようとう)”など胃腸の調子を整える漢方がオススメです。

  • 清暑益気湯(せいしょえっきとう)
  • 夏バテの特効薬。暑さによる食欲不振、疲労倦怠の改善に。

  • 五苓散(ごれいさん)
  • 軽い脱水症状のような状態を改善。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 胃腸を丈夫にして元気をだす。主に小腸に作用することで食欲不振を改善します。

  • 六君子湯(りっくんしとう)
  • 胃腸の働きをよくし、水分の停滞を改善。主に胃に作用して食欲不振を改善します。

  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
  • 皮膚の乾燥や貧血傾向を伴う易疲労感の改善に。

  • 人参栄養湯(にんじんえいようとう)
  • 胃腸の消化力の低下、疲労倦怠、手足のダルさ、貧血、手足の冷えなどの症状を改善。

まとめ

日本は島国ですので海に囲まれています。さらに大部分が山岳地形のため風通しが悪く湿気がこもりやすい日本独特の地形が、日本のジメジメとした過ごしにくい夏に関わっています。 また現代の便利な環境による自律神経の乱れ、食生活の乱れなどにより、暑い体に適応できず夏バテになりやすくなってるといえます。夏バテの症状や原因は人それぞれ違いますので、ご自身に合った夏バテ対策をしていきましょう。

鍼灸師 萩原 美穂(はぎわら みほ)


鍼灸・美容鍼灸のグラン治療院の鍼灸師。